湾曲した柄の先に小さな刃を取り付けた「 釿(チョウナ)」は、木材の表面を荒削りするための道具として、大工道具の一つとして進化してきました。あくまで下処理用だった「 釿 」の工程から生まれるなぐり模様は、やがて意匠の一つとして捉えられ、仕上げ加工の技である「なぐり加工」として受け継がれるようになりました。日本人特有の「侘び寂び」の美意識が、「なぐり」に意匠性を見出し、職人達の高い技術力が磨かれることで、芸術的な建築材料として育まれてきました。 始まりは、茶人・千利休らが茶室などに取り入れたことからとされています。以降、茶室はもとより数寄屋建築、姫路城を代表とするお城などにも「なぐり加工」を見ることができます。 現代では機械化が進み、より豊かな模様を表現することができるようになりました。国土の大半を山地が占める豊富な水と森林に恵まれた中で、木材を建築材料の主流としてきた日本の建築文化に、新たな「意匠美」をご提供します。
いしがき
かりまた
きっこう
さざなみ
しんめ
のこめ
やたらじま
こもん
しずく