特建部

長尾 隼Hayato Nagao

2021年入社

遠く思えた先輩たちの背中
いつかは必ず、追い越してやる

Story.01

自分と正反対の世界が待っていると思うと、
なんか楽しくて。

早朝、いつものように営業用のカタログと木材のサンプルをいくつか車に積み込んで、まだ薄暗い高速道路を東へとひた走る。最初の目的地は群馬の取引先。その後も顧客をいくつか回って、今日中に茨城まで移動して、予定通り1週間ほどで帰って来れるといいんだけど……。なんて、眠い目をこすりながら車を走らせるのも、これで何度目だろう。俺って頑張ってるよなぁ、そもそも早起きは超苦手だったはずなのに、なんでこんなに、頑張る人になっちゃったんだっけ?

そもそもは、めちゃくちゃ安定志向の人間だったはず。変化より不変。波乱より堅実。「やったことない事」より「やったことある事」。学生時代の夢は公務員。自分で言うのもなんだけど優等生タイプで、クラスの学級委員長を任されたり、サッカー部ではキャプテンだったり。就職活動の時も、最終的に内定をもらったのは地元の大手メーカー。なにしろ、大手っていう所がいい。ところがコロナ期に入って人に会えない期間が続いた時に、心と体のバランスをちょっと崩しちゃって。いろいろあって内定も白紙に戻ってしまった。今までに築いたものが全部無くなって、この先やるべきことも無くなって、まるで全部がリセットされたみたいで、不思議なんだけど、心がすごく軽くなった。「なんかもう、どうでもいいや」って、開き直れた。どうせなら、今までの自分とは180度違う事をやってみたい。自分が絶対に選びそうもない仕事ってなんだろうと、改めて就職先を模索した時、プレイリーホームズに出会った。海外出張がすごく多いだって?うん、海外なんて行きたいと思ったこともないし、英語もできない。自分とは正反対の世界が待っているかもしれないと思ったら、なんだか楽しくなってきた。

Story.02

できるか分からないけど「自分が行きます!」
と手を挙げ続けた。

入社して分かったのは、自分がいかに、何もできないかということ。もちろん、入社直後のド新人にできることなんて殆ど無いから、当たり前なんだけど。基本的にうちの会社は「自分の顧客は自分で見つけてくる」というマインドが根強い。今は、新入社員が経験を積めるように体制が整って来ているけれど、自分が入社した時はまだ、独立独歩の気風がそこはかとなく残っていた。

早く一人前になるためには、とにかくお客様との商談の場を一つでも多く経験して、その中から自分の顧客を積み上げていくしかない。でも新人だから、待っているだけでは機会が訪れない。じゃあどうするか?答えは「新規の問い合わせが入った時、誰よりも先に手を挙げる」だ。ありがたいとこに、会社には新規のお客様からの問い合わせが結構入る。「こんな仕様の商品はないか」「こんな物を探している」といった具合だ。カタログが欲しいだけの方から、本当に必要としている方まで温度感はさまざまで、販売に結びつくかどうかは分からない。でも「自分が行きます!」と真っ先に手を挙げる。もともと電話は苦手だけど、連絡を取って詳しく話を聞く。めちゃくちゃ緊張するけど、カタログを片手に一人で商談に向かう。先輩たちは「当たって砕けろ」なんて目で見守っているけれど、こっちはそんな余裕なんてない。その中で、初めて販売まで辿り着いたのは小さな施工店のお客様。壁の施工に必要な建築材料を探していて、自分からの提案に「うん」と言ってくれたのだ。嬉しかったというよりホッとした。それまでゼロだった自分の売上に、初めて数字が入ったのだから。そのお客様のことは、いまでも鮮明に覚えている。

Story.03

海外って、思っていたほど遠い世界じゃないんだ。

入社して2年目に入った時、初めての中国出張も経験した。これって自分には大きな変化だ。なにしろ海外に行ったこともないし、行きたいと思ったこともない。そんな人間が、中国に5日間も滞在して仕事をする。もちろん先輩たちも一緒だけど、自分は全てが初体験。カルチャーショックの嵐だった。飛行機が無事に着いたはいいけど、入国審査で健康チェックに引っかかり鼻に棒をつっこまれる。噂に聞く飲み会対策に持参したウコンドリンクが、X線の手荷物検査で目をつけられ、カタコトの英語で冷や汗をかきながら説明するハメになる。街に出れば右側通行の道路にいちいち驚く。本当に、こんな自分をよく連れて行ってくれたと今でも思う。

現地での仕事は、上海で開かれる展示会の視察がメイン。日本のマーケットでも売れそうな商品をリサーチし、これはと思う物があれば、付き合いのあるパートナーの工場でも同等品が作れないか交渉する。そして、夜になれば待っているのは現地のパートナーとの宴会。思っていた通りガンガンに飲まされて、ホテルでひっくり返るという洗礼も浴びた。

それでも、確実に分かったことがある。海外って、思っていたほど遠い世界じゃない。それまで先輩たちが頻繁に海外を行き来する姿を見ては、自分もいつかと覚悟を決めていたけれど、どこかで腰が引けていた。言葉は通じないし、日本食が一番美味しいし、恥ずかしいけどなんだか怖いし。でも、一歩踏み出せば印象がガラリと変わる。言葉が通じなくても意外となんとかなる、ご飯はすごく美味しい、なにしろ人がいい。現地のパートナーとは同じ商品をつくる人間同士で、一つの目的を共有する仕事仲間として、本当に色々な話ができた。国が違えと同じ人間なんだと、当たり前のことを理解できたことは、大事な経験になった。その結果、「どこに行っても、だいたいの事はなんとかなる」と肝が座ったというか、なんだか図太くなったと思う。もちろん今後は、最低でも英語を話せるように勉強しようと、思ってはいるけれど。

Story.04

先輩の背中を追い抜いてやると、虎視眈々と狙ってます。

今は、自分の顧客も増え、それと同時に先輩のお客様も引き継いで、活動範囲が徐々に広がっている。それでも「まだ足りない」と思う。この先、先輩たちが積み上げた実績に追いつこうと思うと、さらに新規開拓する必要がある。すでに東海地区は開拓先が限られているから、目線は全国になる。例えば関東であれば、まだまだ新しいお客様を開拓できる余地があるはずだ。だから今は、関東地区の既存顧客を周ると同時に、訪問先の土地での新規開拓に余念がない。群馬、栃木、茨城、カタログとサンプルを車に積みこんで、どんな土地にも移動する。活動範囲に制限はない、なんなら北海道まで足を伸ばしたっていい。その点、どこに営業しても自由だという会社の方針がありがたい。

そして、狙っている市場がもう一つある。それは戸建て以外の市場だ。例えば大型の商業施設やホテルなど大規模建築物を扱っている工務店にアタックをかけること。そこには、自分の部署が扱っている三層フローリングや複合フローリングという商品が武器になると思っている。今まで会社がメインに扱ってきたのは、無垢フローリングなどの建築材料で、基本的には戸建て住宅向けの商品だ。ところが、三層フローリングや複合フローリングは、見た目は無垢と同様の風合いがありながら、コスト・強度・寸法精度などの点で、大型商業施設の建築材料にも耐えうる性能を持っている。つまり、会社として未開拓の分野に市場を広げていける余地がある。これは、いけるかもしれない。いや、いけると思う。先輩たちが手をつけて来なかった領域を自分の手で開拓して、先輩たちに追いつき、そしていつかは追い抜いてやると、密かに思っている。

採用情報

Entry