木質建材1部
松本 翔Sho Matsumoto
2023年入社
木質建材1部
松本 翔Sho Matsumoto
2023年入社
Story.01
「なんでこの仕事を選んだか」という話から始めると、やっぱり、自分のルーツまで遡る。父が中国人。母は日本人だけど、中国と日本の貿易に携わる仕事をしていた。中国で生まれて、幼稚園までは日本で過ごしたけど、小学校1年生から4年生までは中国にいて、そこから日本に戻ってきて。ちゃんと説明しようとするとややこしいけど、子ども時代は中国と日本を行ったり来たりしていた。だからかな、将来は中国と関係する仕事をしたいって気持ちが、ずっと胸の中にあったんだと思う。自分のルーツと、何かの形で繋がっていたかった。でも、その気持ちにはっきり気づいたのは、いつだったんだろうか。
小学校5年生で日本に帰ってきた後、なかなか友達ができなかった。周りに馴染めないでいる内に、なんだか性格まで内気になっちゃって。そんな自分を見かねて父が勧めてくれたのがバスケット。中学から始めてみたら、これがめちゃめちゃ楽しくて。バスケ関係の友達もどんどん増えて、内気だった性格がガラッと変わって。そのまま、高校はバスケの強豪校に進み、大学はバスケで推薦をもらった。いくつか実業団から声もかけてもらっていたんだけど、その時にふと思った。このままバスケの道で行けるところまでいくのか、違う道を選択するか。気づいたのは、自分のルーツと繋がっていたいという気持ち。中国と関係する仕事がしたいと、自分の思いをはっきり自覚したのはその時だったと思う。だから就職を選択して、プレイリーホームズという会社に辿り着いた。
Story.02
配属になったのは、海外からオーク材や樺材といった天然木のフローリング用の建築材料を輸入して、国内の工務店などに販売する部署の営業。仕入れ先は中国がメインということもあって、まさに希望どおり。期待に胸も膨らんで、気合いを入れた挑んだのだけど……これがなかなか、大変で。
入社1年目からどんどん仕事を任せる社風もあって、自分の担当も実に幅広い。一つは、先輩から受け継いだ顧客への営業活動。先輩たちがこれまでに開拓してきた顧客が日本全国にいて、自分が担当を任されたのは主に西日本のお客様。ひと月のうち、最低でも1週間、長い時は2週間、車で関西から中国地方など西日本を周る日々。カタログと見本の木材を積み込んだ営業車で、今日は滋賀、明日は鳥取、次は山口といった感じで顧客を周り、慣れない商談に悪戦苦闘。そうかと思えば、月の後半は本社でデスクワーク。注文があった商品の在庫を調べたり、仕入れ先への発注を済ませたり。また、先輩たちが扱う商品の検品も新人の仕事のうち。湾岸地区の倉庫へ足を運び、輸入した木材を一つひとつ検品する。夏場ともなれば全身汗びっしょりで、木材と格闘しているうちに日が暮れて、「あれ?営業ってこんな仕事だっけ」と、疑問が浮かんでしまう瞬間も数知れず。
でも、こんなに自由な会社も珍しいんじゃないか、という思いもある。基本的にうちの会社は、何をするにも自由。1ヵ月のうち、いつ、どれだけの期間を顧客周りに使うか、デスクワークにどれだけの時間をかけるのか、自由に行動を組み立てられる。もちろん、自由には責任が伴うけれど、こんな働き方がなんだか好きになってきた。
Story.03
入社して、そろそろ1年になろうかという時、始めての中国出張が決まった。自分としては「こういう仕事がしたかった!」と、意気揚々。目的は、中国の加工工場でつくっている商品の品質改善。問題は複数あった。フローリング材を組み合わせるための凹凸部分の加工精度が低いこと。木材によって高低差があり、施工した時に段差が出ること。塗装にばらつきがあること、その他、諸々。現地の工場に行き、これらの課題を改善することが使命。上司も同行したけれど、他の仕入れ先との交渉もあって、自分一人で交渉しなければいけない。でも、中国語はお手のものだし、なんとかなると思っていたのが甘かった。
工場に入って担当者に問題点を伝え、改善を要求するのだが、そもそも担当者も原因が分かっていない。そこで、木材の加工工程を1から10までしらみ潰しに観察し、作業の問題点を見つけることから始める。凹凸の加工はどんな作業者がどうやっているのか。塗装工程はどうか。そもそも加工機械に問題があるんじゃないか。改善点をなんとか見つけ、作業手法の変更や、加工機械の買い替えなどをお願いする。でも、向こうにもプライドがあるからか、なかなか要求がスムーズに通らない。何より大変だったのが、1日の作業が終わると必ず待っている宴会だ。噂には聞いていたし覚悟もしていたけれど、まさかここまでとは。アルコール度数が40度はあろうかという酒を休む間もなく注がれ、記憶を無くしてホテルのベッドに倒れ込む地獄のような日々が1週間は続いただろうか。それでも、「ようやく慣れてきたか?」と思ったとほぼ同時に、こちらの改善要求も受け入れられた時には、ほっと胸を撫で下ろしたものだ。ふと思うのだけれど、入社1年目でここまで仕事を任される会社って、本当に珍しくないか?
Story.04
今、自分の中で最優先事項にしているのが、新規顧客の獲得だ。自分で開拓したお客様が、なんとしてでも欲しい。そこで強固な信頼関係をつくることができれば、お客様を通して市場ニーズが見えてくる。ニーズが掴めれば、その先にある「オリジナル商品の開発」という目標に一歩近づくからだ。
獲得の方法は、とてつもなく地道だ。営業周りの先々で、近隣の工務店を検索して飛び込み営業する。SNSでプレイリーホームズの商品展開に興味を持ちそうな工務店を探す。コンビニで建築関連の雑誌を広げて情報収集し、かたっぱしからアタックする。そうやって、一つひとつの「お客様候補」と、まずはコミュニケーションの機会をたくさん作っていく。それで上手くいくのか?当然だけど難しい。どれだけ時代が進んでも、営業ってやっぱり、人と人の関係性が重要だ。お客様には当然、すでに関係性ができている仕入れ先がある。土地によっては、新参者が受け入れられにくい風土もある。でも、諦めない。すると、ほんのちょっとしたきっかけから取引が広がる瞬間がある。これがたまらない。一番に心掛けているのは「無理なんです」と言わないこと。例えば新規のお客様から「こんな仕様のものを探している」と相談を持ちかけられることがある。でも、うちでは取り扱ってない。どうするか?打てる手は、あらゆる手を使って探すこと。「探してみますので、時間をください」とだけ伝え、思いつく限りの方法で目的の商品を探し出し、お客様に納入する。その結果、大きな利益が出なくたっていい。信頼という実績を、一つ積み重ねられるのだから。
そういうのって、正直に言って、すごく楽しい。そう思えるのはバスケの経験も大きいんだと思う。小さなことをコツコツと積み上げていけば、今よりも高い場所に辿り着けることを知っているから。泥臭かろうと、今は、目の前の人との関係性を積み上げて行くことに力を注ぎたい。そうやって掴んだ一つひとつの関係性を少しずつ深めていけば、いつか、自分にしかできない仕事に辿り着けるんじゃないかと、ワクワクしてしまうんだ。
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