同じ木でもガラリと変わる、フローリングの長さマジック。

2023-01-31 公開

ワンピース、乱尺、ユニ……。フローリングを選ぶ中でそんな言葉を聞いたことはないでしょうか。これらすべて、フローリングの長さの違いからついている名前なんです。今回は、板の長さが違うことでどんな違いが出てくるのかをご紹介していきます!

贅沢な1枚モノ。ワンピースとは。

ワンピースは、つなぎ目のない1枚板のフローリング。つなぎ目がないので、木目が途切れることなく現れ、天然木の魅力を1番味わえます。張りあがりも存在感のある堂々としたものになります。

1本の木から製造できる数が限られるため、希少で高価になります。長くまっすぐ幹が伸びる針葉樹に対して、枝分かれが多く縦より横に大きくなりがちな広葉樹では、ワンピースの板はさらに希少です。(針葉樹と広葉樹について詳しくはこちら)

ワンピースタイプの施工例(ホワイトオーク)

無垢フローリングの王道、ユニとは。

複数の板をつないで1枚の板をつくっているタイプ。木材を木から切り出すとき、欠けなどの欠点部分を取り除いた板を、フィンガージョイントと呼ばれる仕組みでつなぎます。木を無駄なく使うことができ、無垢フローリングの中でももっとも一般的なタイプです。

フィンガージョイントって?

説明のため、フィンガージョイントをずらしています(通常は接着されており取り外せません)

指のような形状の凹凸で、板と板とを接着します。

フィンガージョイント部分のつなぎ目は、ぴたっとくっついているので、見た目も触り心地もなめらか。床面全体で見た時もつなぎ目の線の印象は薄いです。

ユニタイプの施工例(ナラ)

個性的な印象で差をつける、乱尺とは。

長さがさまざま違う一枚板がセットになっているタイプです。ワンピースはすべて同じ十分な長さで揃えられた板ですが、乱尺は長さがランダム。ユニと同じ様に木を切り出すときに欠点を避け、使える部分を無駄なく使って製造しています。

長さ方向の端をフィンガージョイントでつなぎ、ワンピースと同じ長さの板を形成するとユニになり、長さがバラバラの板の端にそれぞれエンドマッチ加工をすると乱尺となります。エンドマッチ加工で施工したつなぎ目は、線が強調されるので1枚ごとの板の存在感が際立ち、デザイン性の高い印象になります。

エンドマッチ加工って?

エンドマッチの実(サネ)加工を横から見ています

板と板を連結させるために長さ方向に施した加工のこと。施工する際、凹凸を噛み合わせます。

エンドマッチ部分は、ややくぼみができるため、つなぎ目の線が強調され、貼りあがりが個性的な印象になります。

乱尺タイプの施工例(ドナオーク)

仕組みの違いをまとめるとこう!

張りあがりを比べるとこう!

ワンピースは全体的にすっきりした印象に。ユニは樹種によっては板のつなぎ目で板の色差が出ることも。乱尺はつなぎ目の線が不規則に現れるので個性的に。

長さが違うだけでも、様々な表情を見せてくれる無垢フローリング。ワンピース、ユニ、乱尺の特徴にも注目して、空間づくりやフローリング選びの参考にしてくださいね!

関連記事