樹木の不思議なチカラ。フィトンチッドって知ってる?
こんにちは!みなさんは緑豊かな場所で癒されたなぁというご経験はないでしょうか。なぜ、自然に癒されるのか。そのヒミツは木に含まれる「フィトンチッド」と言われる成分なんです。今回はそんな樹木の注目成分と効果についてご紹介していきます。
もくじ
フィトンチッドとは?
フィトンチッドは植物が自分の身を守るために木や葉から出している物質で、抗菌や殺虫の効果があります。ロシア語でフィトン(植物)チッド(殺す)という意味で、ロシアのB.P.トーキン博士が名付けました。言葉の意味からすると、ちょっと怖い気もしますが、人にとってはいい香りによるリラックス効果があるため、森林浴で癒しを感じることができます。
フィトンチッドはこういった効果をもつ成分の総称で、具体的には植物ごとに成分の名前は異なります。聞き馴染みのあるものでは柑橘類に含まれる「リモネン」、ハッカやミントに含まれる「メントール」もフィトンチッドのひとつです。
先人の知恵に見るフィトンチッド活用法
実は、日本人は昔からこの植物の不思議なチカラに気づき、賢く活用していました。
たとえば、国産ヒノキに含まれるアルファカジノールには抗菌作用があり、それを活かしてまな板やおひつが作られてきました。
また、世界遺産の岩手県平泉の中尊寺は、青森ヒバによる総ヒバづくりで有名。ヒバも抗菌作用のあるヒノキチオールという成分を含み、虫や水に強いため、高い耐久性で1000年以上続く建造物となりました。
“抗菌好き”な日本だけ?世界のフィトンチッド事情
木材の買い付けで世界を飛び回るプレイリーホームズの社員が、出張先で確認したところ、海外ではあまりフィトンチッドは知られていないことが判明。日本の木材業界では有名なのですが、聞きこみをしたスウェーデン、インド、カナダの業者で知っている人はいませんでした。どうやら名付け親であるロシアと日本でしか認知がないようです。清潔好きな日本だからこそ、より注目されているのかもしれません。
効果を知って、住まいづくりに取り入れよう
フィトンチッドにはさまざまな効果があります。特徴を知って、どんな木材を家づくりに使うのがいいのか、参考にしてみてくださいね。
安眠効果
レッドシダー(米杉)に含まれるセドロールには安眠効果が期待できます。より香りを感じやすい無塗装のレッドシダーの羽目板を、寝室の天井や壁に使うのがおすすめです。
シロアリ対策
木造住宅の天敵、シロアリに強いのが福杉。中国福建省の杉で、シロアリが死んでしまうそう……。外壁材を福杉にしたらシロアリをシャットアウト!できるかもしれません。独特の強い香りから別名「香杉」とも呼ばれます。
ダニに強い
ヒバ、レッドパイン(赤松)、ヒノキ、レッドシダー(米杉)に含まれる成分は、ダニよけ効果が期待できます。特にヒバのダニへの効果はピカイチ。一般的に、畳やカーペットより天然木のフローリングの方がダニには強いとされていますが、特に気になる方は、より効果のある樹種に注目してみるのもおすすめです。
抗菌作用
抗菌作用が強いのは、ヒバ、ヒノキです。それぞれ抗菌作用のあるフィトンチッドを豊富に含みます。家族が集まるリビングを清潔に保つために、ヒバやヒノキを選ぶのもいいかもしれませんね。
もともと天然の木材にはリラックス効果があります。ただ、香りは針葉樹の方がよく香る傾向があるので、強い香りが苦手な方は広葉樹から選んでみるのもいいかもしれません。また、オイル塗装、ウレタン塗装、無塗装でも香り方が変わり、無塗装が1番強く、ウレタン塗装は香りが弱くなります。
“いい香り”といっても好みもあるので、ぜひ気になる樹種はショールームで香りを確認してみてくださいね。
参考;
谷田貝光克「フィトンチッドってなに? 植物の知られざる働き」, 第一プランニングセンター, 2005年3月
谷田貝光克「森林の力 現代の“森の生活”を考える」, 現代書林, 1993年3月
無垢フローリング・木製ドアなど、「木」を中心とした自然素材の建材メーカーです。良い素材を世界中からお届けしています。プレイリー”ホームズ”という会社名ですが、住宅会社ではありません…!!