玄関框がつなぐものは何か

2021-05-09 公開 2021-06-01 更新

こんにちは、営業事務のYです。

突然ですが、私は高校時代は合唱部に所属していました。

その時に担当していたパートはアルトパートでした。

主旋律を歌うことは少ないですが、主旋律を歌うソプラノパートと、土台を支えるベースパートとをつなぐ架け橋のような存在として、なくてはならない音を歌っているんだ!と当時は誇りを持って歌っていたものです。

大学時代は、合唱、ではなく、漫画を描いていました。(勉強もしてましたよ?)

絵というのは、これもまた色んな表現があって、ぼんやりと柔らかい雰囲気の絵に、1本強い線を引くだけで、グッと画面が締まったり、違う表現になったり、影の付け方を変えるだけで、強いバトル漫画のような主人公が、恋愛漫画の主人公のように変わったりと、ともかくも空間の中の線1本1本に、重要な役割があるのだなと思っていました。

両方のエピソードに共通するもの、それと同じ役割を果たしていると個人的に思っているのが、

玄関框です。

「こいつ、何いってるんだ?」と思われた方も多いでしょう。

すみません。好きなんです。私、玄関框とか、見切り材とか、巾木とか。そういう部材が。

今回はいつも以上に濃いめの切り口になっておりますが、許してください。

そもそも玄関框ってなに?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、

日本のおうちの玄関って、だいたい段差がありますよね?

靴を脱いだりするときに、よくその段差に座ったりするかと思いますが、

その段差についている横木のことを「上り框」だったり「玄関框」と呼びます。

靴を脱ぐ習慣のある日本において、「土間」と「家の中」を明確に分ける役割をこの玄関框は担っているのですが、

最近では土間との段差が全然なかったり、框を使わないで床材剥き出しにされているお家なんかもありますね。それはいわばそういう「表現方法」の一つだと思うので、それも素敵な空間作りの1つだと思います。

さて、弊社の玄関框は、通常高さが150もしくは120、天面(床材と接する部分)が90か70のサイズが標準サイズとなっていて、色は床材よりもほんのり濃い目で設定をしています。

これは、外から家の中へ移動する空間をつなぐものとして、一体感がありつつも、自然と空間が切り替わるように計算されたグラデーションの色とサイズです。

この他にも、最近できた商品で「T-SMART」という商品もあります。こちらは高さは通常の玄関框と同じですが、天面が6mmで、まるでフローリングだけで収まっているようなスッキリとして印象の玄関に仕上げることができます。こちらは色のラインナップが少ないですが、人気が爆発寸前の話題の新商品です。

これら以外にも、ご希望があれば特注サイズで受注を承っている玄関框ですが、

色やサイズを変えるだけで、空間の見え方にちょっとしたアクセントを与えてくれる面白い部材だと私は思います。

上記標準サイズの玄関框とT-SMARTでは全く違う玄関になりますし、

床材と框の色は一体感を持たせるのがセオリーだとは思いますが、

例えばもし、框の色が床材に比べてめちゃくちゃ濃かったら?

より一層、外と中の空間をはっきりと区切る存在になるでしょうし、

もしもめちゃくちゃ薄かったら・・・?

これは見切り材や巾木にも同様のことが言えると思います。

これらの部材は決して空間のメインを形作るものではありませんが、

空間を形作る要素と要素を、どう繋いで、どう演出するか、それを左右する

小さくとも重要なファクターたちなのです。

いかがでしょうか。そう思うと、小さな部材一つ一つが愛おしくなってきますね。

一体感を保つか、保ちつつもちょっと冒険してみるか、繋ぎ方をどうつなぐのか・・・

もちろん機能的な役割もそれぞれにはありますので、その点も踏まえつつ細かな部材にも注目してみてください!

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